正倉院の消えた猛毒

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正倉院とは?

中の人
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正倉院は東大寺の倉庫だよ。
天皇家の宝物がたくさんあるから、いまは宮内庁の管轄みたい。

奈良県奈良市雑司町の東大寺そばに建てられた、大規模な高床式倉庫。
皇室ゆかりの国宝が多く収蔵されており、非常に歴史価値が高い。
収蔵品だけでなく、正倉院自体もユネスコ世界遺産に登録されている。 正倉院の公式サイト

ヤバすぎる「壺」

冶葛壺

冶葛(やかつ)壺・鉤吻(こうふん)壺とよばれる1200年前の漢方が入った壺。
壺の中には「烏薬(うやく)の属」と記載された薬品が入っていた。

烏薬とは

クロモジ(Lindera umbellata)の根で作られた漢方。
胃腸薬・鎮痛・月経痛の緩和に使われる。
徐福伝説に登場する霊薬は烏薬だと言われている。

中の人
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でも、この壺の「烏薬」は大嘘なんだ。

偽装された薬物

1996年に千葉大学薬学部 相見則郎教授が分析した結果、
猛毒成分である「ゲルセミン」「コウミン」「ゲルセビリン」「センペルビリン」などが残留しており、猛毒植物ゲルセミウム・エレガンスであることが判明した。

「烏薬」とは全く異なる猛毒であることが判明した。

中の人
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1200年も有効な毒とか怖いね。

ゲルセミウム・エレガンスとは?

中の人
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ゲルセミウム・エレガンスは世界最強の毒草だよ。

ゲルセミウム・エレガンス(Gelsemium elegans

通称・世界最強の毒草。東南アジア・中国南部が原産。
ゲルセミウムの全ての部位が猛毒であり、特に新芽の毒性が強い。
ゲルセミウムの成分「ゲルセミン」の致死量は0.05mg
青酸カリの致死量が200mgなので、単純計算で4000倍もの殺傷能力がある。


漢方医学では、洗って乾燥させた根を「鉤吻」といって喘息治療・鎮痛・解熱に用いる場合があるが、あまりに毒性が高いため『本草綱目』などでは内服厳禁と記載されている。
※本草綱目…中国・明で書かれたの薬草の本

唐では「唐律」で取り締まるべき毒薬として名指しされており、唐の諸制度を参考にした、飛鳥時代の日本でも「養老律令 賊盗律 第七」に毒薬として名指しされている。

昔から超有名な毒草だったんだね。

消えたゲルセミウム

西暦756年に奉納された壺には、当初32斤(16kg)ものゲルセミウムが入っていたが、
今では、たったの390gしか現存していない。

1200年の間に大半が何者かによって利用されている。
天皇家愛用の宝物庫という国家中枢にある設備でありながら、ゲルセミウムの使い道は記録に残されておらず「不明」である。

もしかしたら、ゲルセミウムで日本史が動いていたのかも。

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